篠笛草子 〜 ほのかに聞こゆるもいとをかし 〜

日本に古くから伝わる竹の横笛「篠笛(しのぶえ)」の随筆。篠笛奏者で篠笛文化研究社代表の森田玲が綴ります。
Essey about "Shinobue" transverse bamboo flute in Japan,by Shinobue player Akira Morita.

(株)篠笛文化研究社が運営するブログです。

2018年09月

「久保惣記念美術館」特別展-土佐派と住吉派~やまと絵の荘重と軽妙~を記念して
篠笛の演奏会が開催されます。
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日本の音・篠笛~ほのかに聞こゆるもいとをかし

2018年11月10日(土)

・1部 11時から
・2部 13時30分から (各45分)先着120名

於:久保惣記念美術館・Eiホール(大阪府和泉市)

篠笛:森田玲・森田香織

やまと絵に描かれた日本の風景に思いを馳せながら篠笛の奏楽をいたします!

詳細 http://www.ikm-art.jp/tenrankai/2018/03/post-3.html

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国宝3件、重要文化財13件。日本が誇る禅宗文化の宝庫「正木美術館」(大阪府忠岡町)での篠笛演奏です。こちらでの演奏会はいつもすぐに満席となります。お早めにお申し込みください!
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正木美術館開館50周年記念演奏会「森田玲 篠笛演奏会」

2018年10月27日(土)18時半~19時半ごろ

於:正木記念邸(正木美術館内)

篠笛:森田玲、森田香織

入場無料・定員50名

お申し込み・詳細 → http://masaki-art-museum.jp/event/18summer_special.html

特別展「一片開花 - 滴凍翁の一粒の種」開催中!

CD「天地乃笛ーアメツチノフエー」完成しました!本日の雲龍院での「お月見の会」にお持ちいたします!どうぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m
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通販はこちらhttps://taminouta.stores.jp/

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CD「天地乃笛ーアメツチノフエー」
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清らかな光、暦を司る月。

カミに奉る神楽、カミあそび。

春、日本列島を美しく染め上げる桜。

神宮信仰を広めた伊勢大神楽の獅子舞の道行き馬鹿囃子。

秋の夕暮、風の音、虫の声、秋の音。

日本古来の横笛、篠笛で「日本の風景」を伝えます。独奏、二重奏、和太鼓との奏楽。月の光のような透明で清らかな音色を目指す玲月流初代・森田玲の篠笛の魅力を抄録。

カミとヒト、自然と社会、神事と神賑(かみにぎわい)、その二つの世界を繋ぐような笛を吹きたいという想いを込めて「天地乃笛あめつちのふえ」と名付けました。

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篠笛奏楽 森田玲(玲月流初代・篠笛奏者)
ー文化庁芸術祭新人賞受賞者
ー京都市芸術文化特別奨励者
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<曲目>
1 月〔森田玲 作曲〕ー 篠笛独奏
2 カミあそび〔森田玲 作曲〕ー 篠笛・大太鼓・チャッパ
3 桜〔日本古歌・箏曲〕ー 篠笛独奏
4 馬鹿囃子〔伊勢大神楽〕ー 篠笛・チャッパ
5 秋の音〔森田玲 作曲〕ー 篠笛二重奏<森田香織>

収録時間12分 曲目解説書付
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1620円(税込み)
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・使用楽器
「京師-みやこ-」七本調子/邦楽調(唄用)。
「蜻蛉ーあきつー」六本調子/古典調

9月23日(日)午後2時よりテレビ大阪にて「岸和田だんじり祭2018」の放送がございます。今年は岸和田城下の紀州街道の中心にある本町の地車(だんじり)に密着とのことで、紀州街道沿いにある「民の謡・岸和田店(篠笛文化研究社)」も、彫師の河合申仁さん(賢申堂)とともに取材を受けております。お時間ございましたら是非ご覧ください!

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番組の詳細 → こちら

香織さんと2人で(桜は実家で待機中)焼肉を食べて祭の精神状態(ハレ)から日常(ケ)へと戻る解斎の儀式(ラクサク・足洗い)を執り行ないましたが、岸和田の地車(だんじり)の笛と太鼓が耳元から離れません。

ところが、翌日のNHKワールドのおかげで?ダンジリ囃子も吹っ飛び、日常の戦闘モードへ切り替えることができました。
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「ブレンズ」という和楽器と洋楽器を合わせて双方の魅力を喰い合って、それを全世界に配信するという企画の番組がございます。なるべく見たくないのですが、番組と番組の間の数分に不意打ちで挟み込まれるので仕方ありません。

今回の主役は、横笛である金属製フルートに尺八の吹き口を模したパーツを取り付け縦笛とし、フルートのキーシステムをそのまま残した目的不明の珍楽器・オークラウロ。

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昭和初期に大倉喜七郎氏が考案したもので、尺八は洋楽器に劣っているという思想の下、その普及が試みられました。

同時期には町田佳聲氏が、篠笛は洋楽器に劣っているという思想の下、「隆笛(りゅうてき)」というエボナイト製の横笛を考案、演奏会も積極的に開きました。本人曰く、雅楽の神楽笛を改良したものだそうです…

双方とも、楽器の形態が明らかに「本物」と異なるので、百万歩譲ってその存在を放任しておいても良いのですが、問題は「名称」です。

オークラウロは、開発者の大倉と西洋の古楽器アウルスを合わせてものですが、この時期に創作した曲のジャンル名を「大和楽」と名付けました∑(゚Д゚) いやいや「大和楽」と言えば、雅楽における日本古伝の「国風歌舞(くにぶりのうたまい)」でしょ!

そして「隆笛(りゅうてき)」に至っては、雅楽の唐楽に用いられる「龍笛(りゅうてき)」と同じ読み方…(-_-)

とにかく、万国びっくりショーへの出品作品を創るのは自由ですが、詐欺まがいの命名だけは避けて欲しいものです。

そして、僕が再三にわたって指摘しているドレミの笛はもっと厄介で、A=442Hzとか指孔が抑えにくいとか色々問題がございますが、一見すると伝統的な篠笛との違いわからないところが面倒です。

さらに、従来から用いられていた「唄用の篠笛」の名称をドレミの笛に用いるという盗人行為によって「ドレミの笛=唄用」という大きな間違いが世間に広まって、その結果、先日のNHK「日本の芸能」で、ドレミの笛が、テロップ入りで「唄用の篠笛」と紹介される悲劇が起き、さらに司会者がドレミの笛でドレミの音階を奏でるのを聞いて「ドレミの音階の方が日本の音階より安心する」という珍発言をされたことは記憶に新しいです。

NHK「にっぽんの芸能」で間違った篠笛の紹介・・・残念
記事

西欧に憧れて茶髪に染めるも眉毛が黒いままのオークラウロと洋楽器の演奏…これはもはやブレンドでも何もありません。

今日は番組批判をしたいのではなく、絶滅していたはずのオークラウロの復活に驚き、危惧を抱いての投稿でした…今の時代、何が起こるかわかりません。この楽器が変な注目を集めないことを祈ります。

あと、ドレミ笛の皆さんは、是非オークラウロを参考にし、素材を金属にして、ベーム式のキーシステムを採用してください!そうすれば篠笛との見た目の違いも明らかで、指も無理なく抑えられます!是非!

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写真・森田玲『日本の音 篠笛事始め』篠笛文化研究社

町田佳聲氏は「隆笛(ドレミ笛)」(←雅楽の龍笛と紛らわし過ぎる!)を当初は「昭和笛」と呼んでいました。現行の「ドレミ笛」も従来から用いられている「唄用」の名称を盗むのではなく「平成笛」と命名し、改元とともに消え去っていただければ幸いですm(_ _)m



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