10月14日の午前は弘道館にて講座「心で読み解く京の祭と神賑(かみにぎわい)」!今回は「祭の春夏秋冬」-祈りと鎮魂-。本日も多くの皆さまにお集まりいただくことができましたm(_ _)m
2018年10月
唐津くんちの笛(明笛・清笛)
「唐津くんち」の見聞の際にお世話になった吉冨寛さまからお知らせいただきました「唐津くんち」の囃子の奉納です。
唐津くんちの「笛」は「篠笛」ではなく「明笛(清笛)」。独特の「ビィ-」という振動音が魅力的です。これは、歌口(吹口)と指孔との間にある「響孔」に貼られた「竹紙」(竹の薄皮)が震えることによって生まれる独特の音色。
祭囃子に明笛(清笛)を使うところは意外と多く、最近では、竹紙を貼る技術が伝承されずセロテープを貼って「篠笛的」に用いているところも少なくありません。各地の囃子の旋律には明清楽の残響があるかもしれません。
明清楽は幕末から明治中期まで流行りまくりましたが、日清戦争の勃発にともなって急速に廃れました。耳学問ですが「法会節」や「看看踊」は清楽の「九連環」がルーツだそうです。
11月18日(日)の京都芸術センターでの講座「篠笛を知る」(http://www.kac.or.jp/events/24363/)でも少しご紹介できればと思っております。
嬉しいお知らせ~神輿の掛声(チョウサ)~
とても嬉しいお知らせがございました。僕の6年前のブログの記事を参考に神輿の掛声を「ちょうさ!」にした、とのご報告を頂きました。
和泉国五社の一・聖(ひじり)神社では九村が輪番制で神輿を舁きます。神賑の地車(だんじり)の篠笛や飾房では、民の謡・岸和田店もお世話になっています。
今年の神輿の当番は「富秋」。神幸祭の日は地車を曳かずに神輿に専念。
最近は、江戸式の「わっしょい」や、地車の掛声である「そーりゃ」「ほいさ」が用いられることが多かったのですが(これは聖神社に限らず大阪南部全域の傾向)、近隣の高石の神輿の掛声について書いたブログを見ていただいて、古式の「ちょうさ(ようさ)」を採用いただいたみたいです。
六年前のブログ記事
→ https://ameblo.jp/taminouta00/entry-11044845155.html
神輿の掛声については、機会があれば直接お話することがあるのですが、実際に反映いただいたのはこれが初めてかもしれません。
① 岸和田祭の起源(〇岸城神社 ✕三の丸稲荷社)
② 地車の起源(〇川御座船 ✕修羅)
③ 上方の神輿の掛声(〇ちょうさ ✕わっしょい)
④ 唄用の篠笛(〇日本十二律 ✕ドレミ)
以上の四項目は僕のライフワークになりつつありますが、このようなご報告をいただけると、長い道中も何とかがんばっていけそうです。
判断は現場ですが、その材料となる情報は、今後も提供し続けていきたいと思いますm(_ _)m
岸城宮社中(岸城講)の寄り合い
野見神社(大阪府高槻市)の宵宮で篠笛の奏楽
良い笛の音を練ることができたと思います。ご参拝の皆様、氏子の皆様、宮司様、ありがとうございましたm(_ _)m 明日は本宮・神幸祭です。
野見神社・宵宮。浪速神楽(巫女舞)による湯立神事。僕の一番好きな笛は、このお神楽の笛。龍笛の清らかな音色が境内に響き渡ります(雅楽の龍笛を奏する時とは息遣いが異なり、低音のフクラと高音のセメを同時に出すような柔らかい音色が良しとされます。本来は神楽笛で吹くと聞いたことがございます)。湯立神事の音曲は早神楽。巫女が笹を採って、煮えたぎる釜の塩湯を振り散らして、境内、参列者を祓い清めます。本宮に先立つ潔斎の儀です。