篠笛草子 〜 ほのかに聞こゆるもいとをかし 〜

日本に古くから伝わる竹の横笛「篠笛(しのぶえ)」の随筆。篠笛奏者で篠笛文化研究社代表の森田玲が綴ります。
Essey about "Shinobue" transverse bamboo flute in Japan,by Shinobue player Akira Morita.

(株)篠笛文化研究社が運営するブログです。

2019年02月

本日は、三重県は四日市山車文化財等管理者連絡協議会の皆様40名ほどが岸和田にお越しとのことで、いつもお世話になっている畏友の前田憲司さんからのご依頼で、岸和田祭と地車(だんじり)についてお話をさせていただきました。
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まずは、岸和田だんじり会館にて、かつて曳行されていた三台の地車を年代順にご紹介いたしました。地車のルーツは川御座船であること、その発祥は天神祭であること、そして、岸和田では岸和田独特の構造改革があっって今の姿に至ることをお話させていただきました。


‪岸和田祭は岸和田祇園と呼び得た歴史もございました。‬

その後、紀州街道は本町に移動。本町の地車小屋を開けていただき、岸城宮社中のメンバーで大工方の吉野君に地車について質疑応答いただきました。

最後は、賢申堂の河合さんの工房を訪れ、彫刻について色々とお話を聞くという流れでした。

岸和田祭、地車について話すのは楽しいです^_^

どっかのタイミングで本にまとめないといけません。

楽しいひとときでした!

2月8日は弘道館の観世流能楽師シテ方の林宗一郎さんの「能あそび」に参りました。

結論から述べると、面白いとは予想しておりましたが、予想を上回る面白さで親しみやすい講座でした。

皆さまオススメです!
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玄人のお客さんもいらっしゃいますが、僕のようにお能の初心者の方もたくさん。

ここのところドレミの話ばかりで、精神が萎えておりました。正直、日本人がドレミを自ら選ぶ(選んだ)のであれば、もうどうでもええんちゃうの…と一瞬思うまで精神が病んでおりましたが、昨日の会で、お能を通して、日本文化の深みというか、暖かさというか、先人たちの心の動きみたいなものを感じることができ、やはり、日本人が、このような遺産を自らの手で棄てるのは「もったいない」という想いを強く感じました。

僕のツールは「篠笛」と「神賑」しかございませんが、玉砕覚悟で、もとい、しっかりと戦略を練って、日本文化喪失150年の橋渡しができるようにならねばと改めて思い直した次第です。

能の演目は、その性格から「神・男・女・狂・鬼」に分かれるそうで、今回は「神」について。

ヒトがカミをどう感じてきやか、ヒトがカミにどう接っしてきか、という内容だったかと思います。


カミはヒトが感じた時立ち現われてくる存在ですから、ヒトなくしてカミなしだと思っています。

時の権力者を意識した構成も少なくない、みたいな話もされていたかと思います。

高安流ワキ方の有松遼一さん、林さんのお弟子さんの樹下千慧さんも加わって、略式ながら「翁」と「高砂」お座敷で拝見できるという貴重な機会もございました。

シテ方が神を務める演目が「脇能」で、「翁」に秘められた神事性を受けての演目。


ワキ役の有松さんが、シテ方の林さんとは異なる観点から色々お話をされ、興味深かったです。
写真は「翁飾」(実際は扇は閉じているとのこと)。お能の中で、かつては必ず舞われた「翁」。

そのカミ迎えのための祭壇のようなもの。

鈴の掛軸は弘道館仕様と思いますが、中々お洒落です^_^

神様がご鎮座される神社が思い起こされますし、本居宣長の鈴屋(すずのや)を思い出しました。

お能というと全般的に神妙なイメージがございますが、祭と同じで「神事(秩序)」と「神賑(混沌・狂い)」の二つの局面の絶妙のバランスの上に成り立っているように感じました。

次回の「能あそび」は4月だそうです。

弘道館は今年10周年。講座の予定などはこちらから → https://kodo-kan.com/

そうそう、自分の宣伝を忘れるところでした、
弘道館講座「心で読み解く京の祭と神賑」
3月17日(日)11時から、テーマはズバリ!「祭は誰のものか?」

ハードル上げすぎですが、皆さんと一緒に議論して参りたいと存じます!
詳細 → http://shinobue.blog.jp/archives/9057882.html

本日2月1日と4日のアンコール放送NHK・Eテレ「にっぽんの芸能〜多彩なる笛の世界」、私の案通りに解説テロップが表示されました。一安心です・・・
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ただ、何度もお伝えしておりますように、今回のテロップ内容にも間違いが含まれております。「ドレミの笛はうた用ではございません」さりながら、今回は、何とかこれで応急処置でございます。


ドレミの笛に関する論議の詳細は、篠笛フォーラムの記事をご覧ください→ https://shinobue2.wixsite.com/…/bai-yong-bang-le-diao-xiao-…

年末から「ドレミの笛は篠笛ではない」という方向で考えておりましたが、解釈の仕方によっては、具体的には近代以降の日本音楽史の文脈に乗せることで、「ドレミの笛も篠笛と言えなくはない」ような気もしてまいりましたが、まだ保留です。

いずれにしましても、ドレミの笛は無縁仏というか怨霊というか、変な時代に変なスペックで創造され、名前はバラバラ、僕には篠笛ではないと言われる始末で、なんか、可哀想な楽器です。

このまま名無しの権兵衛だと、必ずや我がにっぽん国に災いをもたらします。

そろそろドレミ笛に名前を付けないといけません。

「洋楽調(ドレミ)の篠笛」という名前が一番わかりやすいように思われますが、このアプローチだと、ドレミの笛は篠笛と呼べないという結論に達します。

詳しくは
→ https://shinobue2.wixsite.com/…/bai-yong-bang-le-diao-xiao-…

さてどうしたものか・・・

ー・ー・ー・ーー・ーー・ー

「ドレミの横笛」を辞書的に表記すると「西洋音楽および西洋音楽に基づいた現代音楽を吹奏するために西洋12平均律を用いて調律された竹製の横笛。見た目は日本の伝統的な民族楽器である篠笛を模す」となります。
 
これは果たして篠笛なのか?小学生に尋ねて見たい・・・
 
フルートは木管楽器に分類されます。というもの元々は木製だったからです。現在は金属が主流。ですから、フルートは材質に対しては寛容と言えます。

となると、「ドレミの横笛」は「篠笛」というよりも「昭和時代に日本人が作った竹製のフルート」という表現の方がしっくりきます。

それゆえ、僕は「ドレミの横笛」を「篠笛風洋楽調横笛(竹製フルート)」と表現してみました。

この解釈に異論を挟む余地はございません。

しかしながら、何とかして「ドレミの笛」を「日本の篠笛の仲間」に入れることはできないか知恵を絞っています。

これは、ドレミ奏者のためではなく、可哀想なドレミの笛という楽器のためでございますm(_ _)m



昨日は京都芸術センターのへ。シンポジウム・公演「変わりゆく伝統芸能」に参りました。定員の120名は満席で、あっという間の三時間でした。
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僕は基本的には都市祭礼型の祭の見聞が多いので、舞や踊りといった類の芸能に疎く、保存会など担い手の組織が小規模の祭の人たちの想いというか思考を、少しでも感じたいというのが第一の目的で参りました。
 
東京鹿踊(小岩秀太郎)
備中神楽(清水賢二郎)
讃岐獅子舞(十川みつる)
祇園綾傘鉾(原田一樹)
 
俵木悟(成城大学教授)
小林昌廣(情報科学芸術大学大学院教授)

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「伝統」という言葉がはらんでいる「変えてはいけない」という意識と向き合いながら、伝統芸能を現代に生きたかたちで引き継ぐことは、どのようにして可能なのか?というのがテーマで、参加されている皆さん、氏子という範疇を越えに越えて様々な活動をしている方たち。という事前情報を得ていました。
 
僕の周りでは、祭の本来の役割や歴史性を無視して、自分個人のアイデンティティのため、あるいは単に目立ちたいがため、あるいはお金儲けのために祭を利用している人も少なくないので、多少、疑心暗鬼的な気持ちで参ったのですが、果たしてそれは良い意味で大きく裏切られました。
 
個々の事例の紹介をここに記す余裕はありませんが、皆さん、外部に向けるパワーと同じかそれ以上に、自分たちの祭の歴史や社会的意義に対する探求に時間とお金とエネルギーをそそいでおられました。
 
「革新的な保守」と申しましょうか、皆さん「本物の祭バカ」でした。愛を感じました。
 
そして「神賑(かみにぎわい)」という言葉こそ使われてはいませんでしたが、それぞれの祭において、「神事」と「神賑行事」とを明確に意識されており、そのバランスが大切だということは、いちいち指摘されなくて常識レベルという感じでした。
 
このあたりの基本が押さえられていさえすれば、民俗芸能の可能性は無限大で「祭が日本が救うよマジで!」とさえ一瞬ですが思ってしまいました。

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懇親会でも楽しいひとときを過ごさせていただき、様々な意見交換ができて良かったです。
 
拙著『日本の祭と神賑』を読んでくださっていた研究者の方も何人かいらして、今回の出演者の一人の方は、高校生の時に僕の『篠笛事始め』(旧バージョン)を通販でお求めいただいていたようで、嬉しいと同時に、本を出版する責任も改めて痛感。
 
一番の収穫は、久しぶりにドレミ教に入信されていない音楽研究者の方とお話できたこと。
 
「祭の現場でドレミの笛が広まりつつあるが大丈夫なのか?」
 
「オクターブ云々という笛師の方が多いがどうなのか?」
 
「ドレミの笛やのに田楽笛って命名はどういことなの?」
 
といった質問を矢継ぎ早に放ってくださいました。
 
その質問が核心を得ているだけに、受け取るのは簡単で、リボンを付けて放ち返し、とても心地良い篠笛談義となりました。
 
凄いよ!京都芸術センター!アートだけじゃないぜ!
 
凄いぞタロー!もとい、タロだそうです。
 
スタッフの皆さまもお疲れ様でした^_^
 
そろそろ京都に文化庁が移転してきますが、土地柄、京都色のグラサンを通して全国の文化をみることだけはあってはなりません。とは思いつつ、今日のシンポジウムは京都でしたが、どうやら、そうはならないかなという気がした一日でした。
 
良い誕生日プレゼントとなりました。
 
帰りが遅かったし、もう寝てるかなと思って、保険でコンビニでお菓子を買って帰りましたら、ありがたくも、桜と香織さんがケーキを買って待っていてくれました。
 
ワシ「サンキュ!」
桜「サンキュちゃうやろ!ありがとうや!」
 
m(_ _)m

石川県は浅野太鼓さんに弊社の篠笛・教本などを納品いたしました。浅野さんに竹の笛を卸すのは七、八年ぶりです。皆さま是非、吹き比べてみてくださいm(_ _)m
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・日本十二律調音篠笛「京師-みやこ-」邦楽調(唄用)
〔六本・七本・八本調子〕笛師:森田香織

・学校教材用プラスチック篠笛「篠音-しののね-」

・森田玲『日本の音 篠笛事始め』

・森田玲「CD 日本の音 篠笛」

・桐筒

浅野太鼓さんのオンラインショップでもご覧いただけます。
→ https://www.asano.jp/shop/products/list.php?category_id=58

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