本日夜11時より、NHK・Eテレ「にっぽんの芸能〜多彩なる笛の世界」の再放送です(オリジナル放送の間違いを調整できたか…?)。
昨年の夏、こちらの番組でドレミの笛=唄用の篠笛とテロップ入りで間違った名称が紹介されてしまいました(唄用の篠笛は日本音階の笛でドレミでの笛ではない)。
http://www4.nhk.or.jp/nippong…/x/2019-02-01/…/19944/2142355/
・2月1日(金) 午後11時〜
・2月4日(月) 正午〜
その時の僕の怒りと嘆きと悲しみは以下のブログの記事をご覧ください↓
http://shinobue.blog.jp/archives/11409751.html
音は無限に繋がっているのは「科学」、そして、そこからどのような音を選び採るのかは「文化」。
これに実感をもって共感してくれたのは、意外にも、和楽器奏者ではなく、民族音楽やクラシック音楽の方でした。フェイスブックに記した文書にも、この分野の方々から多くのコメント、シェアをいただきました。
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昨年末、アンコール放送の情報が入りました。
僕は、これ以上、間違いが広まらないよう、NHKの制作部と協議を重ね、また、当事者である佐藤和哉さんの意向も踏まえながら、なんとか番組での篠笛の紹介のされ方を調整できないか方法を模索してきました。
結論から述べると、少しは誤解が少なくなるように調整はできましたが、間違った情報もそのまま流れてしまうことになりました(とは言え、大きな一歩の前進とはなりました)。
今回のアンコールで、完全に間違いが修正されていれば、今、ここに記しているような内容を投稿する必要はないのですが、「間違った内容を含んだままの放送」となりますので、ここに論点を記す次第です。
その前にお伝えしておかねばならないのは、今回、僕は、佐藤和哉さんを公開裁判みたいな形で、槍玉に上げてしまっていますが(ホンマにすみませんm(_ _)m)、責任の所在はどこにあるかと言うと、僕も含めて、今まで10年、20年、30年と、篠笛を吹いてきた人たち、楽器店が、間違った情報を訂正せずに(僕の場合は力が及ばず訂正できずに)、問題を放置してきた我々にあると思います。
佐藤和哉さんが篠笛を手にした時には、すでに「ドレミ=唄用」という誤認が正しいとされていたのです。本人は気付きようがありません(まあ彼の勉強不足も多少はありますが)。
以下、本題です。
◆オリジナルの放送
映像・ドレミの笛
テロップ・唄用の篠笛
発言・うたようのしのぶえ
◆アンコール放送(私の提案)
映像・ドレミの笛
テロップ・消去
発言・うたようのしのぶえ
説明テロップ・うた用の篠笛には元来の日本音階のものと西洋音階のものがあります
↑ 実際はどうなるのかわかりません
繰り返しますが、本来、もし完全に正しい情報に改められていれば、このような経緯を公表する必要はないのですが「映像と音声は編集できない」という条件で、テロップだけの勝負となっていまい「完全に正しくはないが、正しい情報と間違った情報を併記する」というギリギリの妥協案を考え出さざるを得ませんでした。
つまり、唄用は日本音階の笛なのですが、現在は、間違いであっても、ドレミの笛=唄用という認識が広まっている。そこで、ドレミも一時的に「うた用」(漢字は長唄からの引用なので平仮名で音表記)に含め「うた用の篠笛には元来の日本音階のものと西洋音階のものがあります」という表記を提案しました。
★繰り返しますが、この解説も間違いです。ドレミは唄用ではありません。
うた用に、日本音階と西洋音階の笛があるという間違いが広がる表記は絶対に避けたかったのです。
しかし、そうなると佐藤和哉さんの登場シーンを編集しまくらないといけません。僕個人的にはそれでも全然問題ないのですが、まあ大人の事情ってやつですT_T
(唄物、歌物などとややこしい表記も見られますが、「うたもの」という言葉は日本音楽の中で「かたりもの」と対比させて昔から使われている用語であり、何より「唄用」と誤認する名称、漢字ですので避けなければなりません。ビックリマンのロッテとロッチみたいな感じでややこしい。)
長々と述べましたが、今回の件は、NHKや佐藤和哉さんのだけの問題ではなく、篠笛を愛する我々全員の問題です。
NHKの制作部の方も佐藤和哉さんも寝耳に水の話を真剣にに聞いてくださり、感謝します。
佐藤和哉さんとは今後もバトル?!することもありますが、彼との会話の中で色々と気づけたことがありました。後、スマイルは見習わんあきません^_^
本日の放送、是非ご覧ください!