篠笛を始める時、まず何本調子の篠笛から始めれば良いでしょうか?

よくある一般的な質問ですが、大袈裟に言えば、その後の「篠笛人生」を決定付ける大切な選択です。

玲月流の篠笛では、初心者の方には「七本調子」の篠笛をお勧めしています。そして「七本調子」に慣れてきたら「六本調子」の笛も使います。

調子02
その理由は以下の二点です。

・「高い音(甲音<かんのおと>)」と「呂音<りょのおと>」がバランス良く出る。

・会話する程度の息の量で、しっかりと音が響く。

・特に七本調子は、六本調子と比較して指孔の間隔が広くないので、初心者や子供、女性でも指が押さえやすい。


「六本」「七本」というのは、笛全体の音の高さを表す数字です。数字が大きくなるにつれて、笛が細く短くなって、その結果全体的な笛の音程が高くなります。

竹が>細い・短い→音程が高くなる。(番号が大きい)
竹が>太い・長い→音程が低くなる。(番号が小さい)

要は「小さい笛」と「大きい笛」があると考えてください。

日本の古典的な音律「日本十二律」は1オクターブを十二音に分けています。そこから、一から十二までの篠笛が慣例的に存在します。

調子

単純に音程の変化だけなら、指孔を押さえることができるのであれば、何本調子の笛から始めても良いように思えますが、実際には「音程」だけではなく「音色」「吹き心地」が、笛の調子によって大きく異なります。

先ほど「一本調子」から「十二本調子」までの篠笛が慣例的に存在すると述べました。

数字が小さくなると、笛の内径が大きくなり長くなるので「深い豊かな低音」を出すことができます。ただし「甲音(高い音)」は、雑音が混じりやすくなり透明感が薄れます。

一方、数字が大きくなると、笛の内径が小さくなり短くなるので「雑音のない高音」を出しやすくなります。ただし楽器本体が小さくなるため「呂音(低い音)」の深みがなくなり、その音量も小さくなります。

太鼓をイメージしてもらえばわかりやすいかもしれません(体積の大きな太鼓は、音量が大きく深い低音、体積の小さな太鼓は音量が小さく歯切れの良い高音)。 

このように、篠笛の調子を選ぶ時は「音程」だけではなく「音色」も考慮に入れます。

そして、「一本調子」から「十二本調子」のちょうど真ん中の「六本調子」「七本調子」の笛が、「甲音(高い音)」と「呂音(低い音)」がバランス良く響き、「深い豊かな低音」から「透明で遠音のさす高音」まで篠笛の魅力を余すことなく表現できる篠笛になります。

特に「六本調子」の笛は、太鼓と合わせる「祭囃子系」の音曲においても、太鼓の音量に負けない歯切れの良い大きな高音を出すことができますし、歌の旋律を表現する時にも、吹き手の感情をしっかりと反映させ、艶のある音色を出すことができます。

このような理由から、玲月流では、最終的には「六本調子」の笛で様々な音曲を奏でることを目指しますが、初心者の人にとっては、六本調子は、少し指孔の間隔が広く、また、深く安定した呼吸が必要ですので、一段階小さい「七本調子」で初めてもらうことにしています。

・初心者は七本調子の篠笛がオススメ
・後に表現力の高い六本調子の篠笛を習得

今回は、初心者の方にお勧めの調子の笛についてお話しました。地域の祭で規定の笛がある場合は、もちろんそれに従います。また、三味線や箏、歌に合わせる時は、他の調子の笛を用いることになります。

いずれにしても、自分で購入してしまう前に、ご質問などございましたら、お問い合わせください。

<追記>
篠笛には、同じ「○本調子」でも、その調律方法によって「古典調」「邦楽調(唄用)」の二種類の笛があります。また、「洋楽調(ドレミの笛)」も存在しますが、これらの分類については別の項目で説明したいと思います。