篠笛草子 〜 ほのかに聞こゆるもいとをかし 〜

日本に古くから伝わる竹の横笛「篠笛(しのぶえ)」の随筆。篠笛奏者で篠笛文化研究社代表の森田玲が綴ります。
Essey about "Shinobue" transverse bamboo flute in Japan,by Shinobue player Akira Morita.

(株)篠笛文化研究社が運営するブログです。

カテゴリ: 「篠笛」の歴史・文化

香織さんと2人で(桜は実家で待機中)焼肉を食べて祭の精神状態(ハレ)から日常(ケ)へと戻る解斎の儀式(ラクサク・足洗い)を執り行ないましたが、岸和田の地車(だんじり)の笛と太鼓が耳元から離れません。

ところが、翌日のNHKワールドのおかげで?ダンジリ囃子も吹っ飛び、日常の戦闘モードへ切り替えることができました。
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「ブレンズ」という和楽器と洋楽器を合わせて双方の魅力を喰い合って、それを全世界に配信するという企画の番組がございます。なるべく見たくないのですが、番組と番組の間の数分に不意打ちで挟み込まれるので仕方ありません。

今回の主役は、横笛である金属製フルートに尺八の吹き口を模したパーツを取り付け縦笛とし、フルートのキーシステムをそのまま残した目的不明の珍楽器・オークラウロ。

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昭和初期に大倉喜七郎氏が考案したもので、尺八は洋楽器に劣っているという思想の下、その普及が試みられました。

同時期には町田佳聲氏が、篠笛は洋楽器に劣っているという思想の下、「隆笛(りゅうてき)」というエボナイト製の横笛を考案、演奏会も積極的に開きました。本人曰く、雅楽の神楽笛を改良したものだそうです…

双方とも、楽器の形態が明らかに「本物」と異なるので、百万歩譲ってその存在を放任しておいても良いのですが、問題は「名称」です。

オークラウロは、開発者の大倉と西洋の古楽器アウルスを合わせてものですが、この時期に創作した曲のジャンル名を「大和楽」と名付けました∑(゚Д゚) いやいや「大和楽」と言えば、雅楽における日本古伝の「国風歌舞(くにぶりのうたまい)」でしょ!

そして「隆笛(りゅうてき)」に至っては、雅楽の唐楽に用いられる「龍笛(りゅうてき)」と同じ読み方…(-_-)

とにかく、万国びっくりショーへの出品作品を創るのは自由ですが、詐欺まがいの命名だけは避けて欲しいものです。

そして、僕が再三にわたって指摘しているドレミの笛はもっと厄介で、A=442Hzとか指孔が抑えにくいとか色々問題がございますが、一見すると伝統的な篠笛との違いわからないところが面倒です。

さらに、従来から用いられていた「唄用の篠笛」の名称をドレミの笛に用いるという盗人行為によって「ドレミの笛=唄用」という大きな間違いが世間に広まって、その結果、先日のNHK「日本の芸能」で、ドレミの笛が、テロップ入りで「唄用の篠笛」と紹介される悲劇が起き、さらに司会者がドレミの笛でドレミの音階を奏でるのを聞いて「ドレミの音階の方が日本の音階より安心する」という珍発言をされたことは記憶に新しいです。

NHK「にっぽんの芸能」で間違った篠笛の紹介・・・残念
記事

西欧に憧れて茶髪に染めるも眉毛が黒いままのオークラウロと洋楽器の演奏…これはもはやブレンドでも何もありません。

今日は番組批判をしたいのではなく、絶滅していたはずのオークラウロの復活に驚き、危惧を抱いての投稿でした…今の時代、何が起こるかわかりません。この楽器が変な注目を集めないことを祈ります。

あと、ドレミ笛の皆さんは、是非オークラウロを参考にし、素材を金属にして、ベーム式のキーシステムを採用してください!そうすれば篠笛との見た目の違いも明らかで、指も無理なく抑えられます!是非!

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写真・森田玲『日本の音 篠笛事始め』篠笛文化研究社

町田佳聲氏は「隆笛(ドレミ笛)」(←雅楽の龍笛と紛らわし過ぎる!)を当初は「昭和笛」と呼んでいました。現行の「ドレミ笛」も従来から用いられている「唄用」の名称を盗むのではなく「平成笛」と命名し、改元とともに消え去っていただければ幸いですm(_ _)m



京都新聞文化ホールにて「日本人の忘れもの知恵会議」世界竹の日記念「竹に触れ、竹を知る」で篠笛の演奏でした。
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第一部の渡邊先生の竹文化の話を受けて、竹の話を交えながら篠笛の演奏。第三部は竹籠作りです^_^
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岸和田祭の翌日のため、桜は実家で待機。我々も気合で乗り切りました!よい笛の音を練ることができたと思います。

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いつもお世話になっている渡邉先生と。

今週末はいよいよ岸和田祭!桜も大きくなったので衣装を新調!

取り敢えず法被を着てご機嫌で歌い始めました!



大坂版ですみません…早急に岸和田だんじりバージョン、京都バージョンを作らねば!

テレビ大阪の「岸和田だんじり祭」番組の取材もございました。
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「民の謡-たみのうた-岸和田店」(篠笛文化研究社)は木彫刻「賢申堂」の河合さんの工房の中にございますm(_ _)m 河合申仁さんとレポーターのお姉さんと!

9月下旬の放送予定だそうです^_^ もちろん河合さんの彫師の作業風景もございます。楽しい収録でした!

本日はNHKカルチャー福岡にて篠笛教室。終了後、数年前に「唐津くんち」でお世話になったK村さんが「唐津くんち」をはじめ九州北部に広く分布する明笛(清笛)をお持ちくださりました!私のために新調いただいたとのことm(_ _)m m(_ _)m。歌口(吹き口)と指孔との間に、もう一つ孔があいているのが特徴で、ここに竹の薄皮(竹紙)を貼って吹くと、篠笛とは全く異なるビューという独特の振動音が出て病みつきに!

この笛は明治期に全国的に大流行した明清楽の笛で、祭中に採り入れられている事例が散見されます。管見の範囲では大阪南部のダンジリの一種・ヤグラでも用いているところがございます。

竹紙の調達が難しいこと、これを上手く貼るコツがいることから「竹紙→ テープ(振動なし)→ 篠笛 」と、明笛から篠笛に変える地域も少なくありません。が、この独特の響きを捨てて篠笛に持ち帰るもは勿体無い!


今のところ誰にも曲を教えていだいていないのですが、明笛(清笛)の独特の音をお伝えする手段はできました^_^
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上 岸和田だんじり囃子の篠笛「岸極-きしのきわみ-」
中 鏡の明笛
下 唐津の明笛

↑ 地元では明笛とは呼んでいないとは思います。そういう意味では岸和田でも篠笛ではなく単に笛。

お盆を過ぎてから1日に何度も「はい!民の謡(たみのうた)です!」と旧社名を声に出しています。

現在の社名は「篠笛文化研究社」。篠笛については未だ未だ勉強中で、名前負けしそうな社名ですが、これは、ドレミの笛の皆さんが集まって作った団体名が、日本を代表する篠笛の協会のような名前だったので、その対応策としての苦肉の策でした。

社名を変更すると決めた時、多くの方から勿体無いとのお声を頂き、岸和田店の名称として残すことにしました。「民の謡(たみのうた)」は私の造語で「民俗音楽」を大和言葉で表したものです。

日頃「民の謡」の名前は滅多に声に出さなくなりましたが、この時期は岸和田からの問い合わせも多く、社内で「民の謡」が飛び交います。

20年使って来た屋号でしたので、やはり何か安心する響きです^_^

かつてはよく手紙の宛名が「民の歌」「民の唄」「民の詩」あるいは「民の宴」など間違えられました。

一度アゴが外れそうになったのは、某公共団体からの手紙で「尻の謡」(-。-; これはアウトです…

最近は「篠笛文化研究〈所〉」というミスが多いです。「研究所」などと大層な名前は絶対付けません…。というか、宛名に書かれているということは、書いた本人はそう思っているということでしょう…これは困りました。

電話がかかって来た時、「篠笛文化研究社」「民の謡」のどちらで答えるか、ということが問題になってきますが、不思議なことに、相手の声の雰囲気を聞いた瞬間に、僕も香織さんもダンジリ関係か篠笛一般の問い合わせか判ってしまいます^_^

「民の謡」「篠笛文化研究社」、ローカルとグローバル、今後もグローカルに活動を展開して参りたいと思います。

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写真は昨年の7月。岸和田店移転の際に下ろした看板。伊勢大神楽・山本勘太夫さんと^_^

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