篠笛草子 〜 ほのかに聞こゆるもいとをかし 〜

日本に古くから伝わる竹の横笛「篠笛(しのぶえ)」の随筆。篠笛奏者で篠笛文化研究社代表の森田玲が綴ります。
Essey about "Shinobue" transverse bamboo flute in Japan,by Shinobue player Akira Morita.

(株)篠笛文化研究社が運営するブログです。

カテゴリ: 祭と文化

「彫物ひねもす博覧会」大盛況のうちに幕を閉じました。ご来場の皆様、ご協力、後協賛いただいた皆様、本当にありがとうございました。
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全体の監修は河合さん、写真は平田さんが担当で、展覧会当日の内容については、お二人に任せることにして、私の役割は、彫刻が施される主体である「祭」そのもの、そして「地車」と「太鼓台」の歴史文化について語ることでした。そして「ひね博」を一過性のイベントに終わらせないため、主催者自身も含めて、後から何度も復習ができるように『図説だんじり彫刻の魅力』を完成させること。

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書籍は、非常に完成度の高いものになったと自負しております。特に、彫刻に関わる部分の文章を、私一人の執筆ではなく、彫刻のことを一番熟知している河合さん、多くの彫刻を見聞している平田さんの意見を存分に採り入れ、さらに何人もの眼で厳しく推敲を重ねました。とりわけ、当事者である彫師さんの声を反映できたことは、大きな強みであると思います。解説は彫物の場面の難解な歴史解説ではなく、見所はどこか、そのような工夫がなされているかなど「鑑賞の手引き」を強く意識しました。
(『図説だんじり彫刻の魅力』→ 
https://kishiwada1.wixsite.com/kishiwada-awaji/forum/tu-shuo-danziridiao-ke-nomei-li )
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当日の展示は、ひたすら河合さん、平田さんのサポートに徹しました。当日の空間デザイン、河合さんの新作「国生み」の彫刻動画はミヤシタデザイン事務所(三重県)にお願いしました。彼らの助力で、展示会の雰囲気は数段アップしたと思います。講演では、太鼓台と地車のルーツ、ダンジリの語源についての最新の研究成果を多くの皆様に直接お伝えすることができました。
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1000人以上のご来場をいただいた「ひね博」。素晴らしい空間で彫物に囲まれ、皆さんと時間を共有できた一日。私の中でも大きな財産となりました。ご来場いただいた皆様にとっても、何か感じるものがあれば、嬉しく存じます。

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5月20日は佛教大学公開講座でした。八木透先生にお声がけいただき「神賑行事」をキーワードに「祭」を読み解きました。懇親会では祭研究者の方々と交流…楽しいひとときでした^_^ ご来場の皆さまありがとうございました。「神賑論」また一歩前進です。
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5月25日は大分県は中津で「ダンジリ講演!」福沢諭吉先生所縁の地に、移動式芸能舞台としての機能を備えた初期の大坂型地車の特徴が残っております。さらになんと、岸和田とは別系統で「ヤリドリ(ヤリマワシ)」が考案されました!僕が数年前、祭の見物に参るまでは、皆さん、まさか、祇園車が、大坂や岸和田の地車と同じ練物だとは思いもよらなかったようです。ヂキヂン・コンコンの囃子を中津で聞いた時は、鳥肌が立つほど感動しました。

地車のルーツは川御座船。ダンジリ文化は日本遺産!

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講座「豊前中津・祇園車のルーツに迫る!~大坂だんじりと和船の残響~」

日時:令和元年5月25日(土)午後6時~

場所:中津市立小幡記念図書館 研修室
(大分県中津市片端町1366番地1)


講師:森田玲氏 (玲月流初代 篠笛奏者)
文化庁芸術祭新人賞受賞
京都市芸術文化特別奨励者
『日本の祭と神賑』創元社
『日本の音 篠笛事始め』篠笛文化研究社

主催 :特定非営利活動法人 中津地方文化研究所

後援 :中津祇園保存協議会
中津市
中津商工会議所
(一社)中津耶馬渓観光協会
大分合同新聞社
西日本新聞社
(公社)中津法人会

佛教大学四条センター公開講座
「祭の中の神賑(かみにぎわい)-新たな視座から祭を読み解く-」

コーディネーター:八木 透(佛教大学歴史学部教授)
講師:森田 玲(玲月流初代・篠笛奏者)

2019年5月20日(月曜) 15:30~17:00

祭を「神事」と「神賑行事」という二つの局面に分けて捉えると、祭のカタチ、祭の本質がより明確に立ち上がってきます。ヒトの意識がカミ様に向いてる場面が神事、ヒトの意識がヒト(氏子同士や見物人)に向いている場面が神賑行事です。「神賑」をキーワードに、祭の過去・現在・未来について考えます。

神賑


詳細はこちら → https://www.bukkyo-u.ac.jp/…/shi…/course/detail/765/2019/05/

皆さま是非!

拙著『日本の祭と神賑』創元社の第三刷が成りました。

お求め頂いた皆様には厚く御礼を申し上げます。

執筆内容、誤字脱字など細心の注意を払って参りましたが、若干の誤字・脱字・修正・追加がございます。赤字の部分は内容に関わるものです。

ここにお詫び致しますとともに、以下のように修正いたしたいと存じます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。


PDF→ 
http://shinobue.blog.jp/errata.pdf

正誤表01
正誤表02

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