篠笛草子 〜 ほのかに聞こゆるもいとをかし 〜

日本に古くから伝わる竹の横笛「篠笛(しのぶえ)」の随筆。篠笛奏者で篠笛文化研究社代表の森田玲が綴ります。
Essey about "Shinobue" transverse bamboo flute in Japan,by Shinobue player Akira Morita.

(株)篠笛文化研究社が運営するブログです。

カテゴリ: 祭と文化

天の原さやけき月は御皇孫(すめみま)の
宮居の照らす豊の明かりか 〈玲月〉
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夜、月が美しく照り輝いていたのを見て、太陽の光は月を通すと、かくも清らかな光となるのだなあと改めて思うとともに、天皇皇后両陛下がご奉仕される大嘗宮の儀に想いを馳せました。朝、眼が覚めると、まだ西の空には月が上がっておりました。夕刻六時半に始まった神事の終了は夜中の三時だったとのこと。昨晩はぐっと冷え込みました。大嘗祭の翌日は豊明節会(とよのあかりのせちえ)が営まれました。皇居の豊明殿で行われる大饗の儀がこれにあたります。大嘗祭の後宴で、ハレからケ、祭から日常に戻るための解斎の行事です。令和の御代、清く正しく美しく在りたいと思います。

忠岡町町制80周年記念事業「伊勢大神楽〜清らかな獅子舞と放下の曲芸」(山本勘太夫社中)大盛況でした!忠岡町に伊勢大神楽が訪れるのは約40年ぶり。皆さんの懐かしいお話も沢山お聞きすることができました。冒頭で「神楽とは何か」「伊勢大神楽の魅力と特徴」「各地の祭に残る伊勢大神楽の記憶」についてお話させていただきました。
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総舞の披露の前に、各戸を訪れる「コソギ(戸禊)」を舞台で再現。「かまど祓い」と戸前での「悪魔祓い」。何と、忠岡町の担当の方が「かまど」をご準備してくださいました!桜とうちの母には事前に村人役をお願いしておりましたが、お客様の中からもご参加いただきました。桜にとっては、保育園のレベルを越えたリアル学芸会となりました!
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総舞では「鈴の舞」「扇の舞」「水の曲(皿の曲)」「献灯の曲」「神来舞(しぐるま)」「魁曲(らんぎょく)」を披露。おおよそ「舞」と付く演目が「奉納型神事芸能」の性格が強く、曲と付く演目が「娯楽型神賑芸能」の性格が強い傾向があります。万歳もこなすチャリと呼ばれる道化師が太夫の本芸をもどき会場は爆笑の渦に包まれました。皆さま、懐かしさとともに、見たことのない演目にも感動していただき、温かな雰囲気に包まれました。
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総舞の後は、和田忠岡町長さまと、山本勘太夫さん、そして、私、森田玲の三名での鼎談。はじめて伊勢大神楽に入った時、先代親方(お父様)から引き継いだ時の心の動き、覚悟についてもお話をお伺いしました。

「花形であり、同時に修得が難しい放下芸(曲芸)の特訓を始めたのだけれども、獅子でお祓いをするという神事的な役割に、昨日までただの若者であった自分が携わって良いのかどうかという疑問を抱くようになった。そして、まずは、宗教者としての知識と心を育むべく、様々な関連書籍を読みあさった」との発言が印象的でした。

僕の篠笛奏者としての立場は伊勢大神楽に比べると格段に気楽なものではありますが、篠笛という歴史ある楽器を吹く、教えるにあたって、勘太夫さんの想いに共感する部分が少なくありませんでした。篠笛を持っているだけで、時に他分野の日本文化に関する発言についても、聞き手側が疑いなく信頼してくださることも少なくなく、果たして自分に篠笛を語る資格があるのかという問いを、日々、考えながら生きている自分の姿と重ねながら、心を新たにした次第です。

とにもかくにも、少年のような、和田町長の笑顔が、伊勢大神楽の、いとも簡単に世代を越える浸透力の強さと普遍性を物語っていました^_^

ご来場の皆さま、関係者の皆さま、ありがとうございました。これを機に是非、忠岡でも伊勢大神楽の復活を!

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「伊勢大神楽〜清らかな獅子舞と放下の曲芸」。午前中は「こども園」におじゃましました!獅子舞にびっくりして大泣きの子供たちに混じって「お獅子かわいい!」というスーパー園児の発言にびっくり。ほのぼのとしたひと時でした。

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唐獅子の日の本すみて赤らめる 伊勢の御カミに照れる姿か 玲月
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唐獅子が日本に渡って来て千数百年。官制の神社や寺院の祭、産土の民俗芸能として地域色豊かに変化していった獅子舞。その中にあって、伊勢大神楽は日本の獅子舞の一つの到達点。天照大神の神札を以って伊勢信仰を支え、緋色の唐獅子に宿る夕星(金星)の霊気を以って悪魔を祓い、聖獣である獅子が時に鈴や御幣といった採物を採って大和式の神楽を舞うかと思うと、古く伎楽に通じる人並み外れた曲芸で見るものを圧倒する。これらカミの至芸を繋ぐのは、ヒトの言葉である万歳であり本芸を擬くチャリと呼ばれる道化師である。構造的には能と狂言にも通じる絶妙の構成で、祭における神事と神賑の在り方とも重なってくる。

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賢申堂の河合申仁さんの一番弟子・中野雄太さんの年季明け式に参列させていただきました。年季制度は日本に古くから伝わる習慣で、芸能や芸術、職人の技と心を、師匠から「最も確実かつ〈効率的に〉盗むための民俗知」。参列の皆さんそれぞれから叱咤激励が飛び交う楽しい会となり、私も気付かされることが多く、心を新たにすることができました。日本から日本がなくなりつつある現在、まさに日本であると確信できる歴史の一コマに立ち会えることができました。賢申堂の益々の発展を祈念するとともに、中野雄太さんの職人としての第一歩を喜びたいと存じます^_^
 
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民の謡(たみのうた)岸和田店(
http://www.taminouta.com/kishiwada.htmlは賢申堂の一角をお借りして、だんじり用篠笛「岸極-きしのきわみ-」をはじめ各種篠笛(獅子田)、笛の飾房をお取り扱いしております。

春に引き続き、秋の北野天満宮の曲水の宴にて森田桜が童子役でご奉仕いたしました。
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北野天満宮での曲水の宴。今回も定石通り何度も川に落ちかけお客さまの肝を冷やしておりましたが、何とか無事に童子役を務めさせていただけたかと思います。和漢の朗詠、白拍子と、ゆったりとした時間を過ごさせていただきました。

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東風(こち)吹きてわらべ汀(みぎわ)にカン一発
桜も愛でし菅公が慈悲

曲水の流るる調べを追いゆきて
松竹梅からはや紅葉なり

玲月

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香織さんもお疲れ様でした^_^ これより二人は直会に。和歌も歌えずに篠笛奏者などとは笑止千万!漢詩までは無理でも和歌は歌えるようになっておきたかったですT_T というか何故に義務教育に入っていないのか。大人になってからの習得はハードル高過ぎデス・・・ 桜には和歌を歌えるようになって欲しいです^_^

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歌よみは下手こそよけれ曲水の
流れに任せて読めるものかは

玲月
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北野天満宮さま、ご参拝の皆様、関係者の皆様、ありがとうございましたm(_ _)m

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