篠笛草子 〜 ほのかに聞こゆるもいとをかし 〜

日本に古くから伝わる竹の横笛「篠笛(しのぶえ)」の随筆。篠笛奏者で篠笛文化研究社代表の森田玲が綴ります。
Essey about "Shinobue" transverse bamboo flute in Japan,by Shinobue player Akira Morita.

(株)篠笛文化研究社が運営するブログです。

カテゴリ: 日本の祭(神事と神賑行事)と文化

10月15日は、四年ぶりに松原八幡神社の秋祭(灘のけんか祭)に参りました〈八幡社ですので旧暦時は八月十五日が式日だった可能性がございます〉。三基の神輿(八幡神)!露払の獅子ダンジリ!屋台(やっさ)〈太鼓台〉!
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御旅山の練場。神輿の神幸に先立って獅子ダンジリが参りました。早朝には、こちらの舞場で清祓の獅子が舞われております。神輿の激しい動きの影響を受けてでしょう、獅子ダンジリの動きの激しさも極まっております^_^



御旅山の練場。段々畑を利用した圧巻の桟敷!!管見では日本一です!
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松原八幡神社の秋祭(灘のけんか祭)。岸和田の河合さんとレジェンドF氏にお世話になって桟敷席での祭の見聞の機会を得ておりますm(_ _)m 神輿三基の練り合わせ!御霊系の祭ではないのですが、神輿をボコボコになぎ倒します∑(゚Д゚) その意味を神功皇后の神話…安曇野磯(あずみのいそら)に求める記述を昔どこかで読んだことがございますが…またじっくりと考えてみます。
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最後は屋台(やっさ)の練り込み。屋台は一見、神輿に見えますが、カミ様が乗る神輿ではなく、ヒトが乗る太鼓台の一種。天神祭などで発達した枠式太鼓台の神賑(かみにぎわい)化が進むと、様々な形態の屋根が付きます。茵(しとね)のようなものを数段重ねた緋色の布団太鼓がよく知られていますが、こちらでは鳳輦型神輿と同じ屋根を乗せます。内部には太鼓が吊るされており投頭巾を被った敲手4名が乗り込みます。太鼓台のルーツは神輿の到来を告げる触太鼓。本来は神社に一台。これが氏地に複数台が存在するようになると神賑一般の練物となります^_^



各村には屋台(やっさ)〈太鼓台〉とともに、獅子舞、そして、その囃子など道具一式を運ぶ曳車から発達したと思われる獅子ダンジリがあります(ありました)。
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獅子はその神威で清祓の役を担います。播州は全身が毛に覆われた毛獅子が多いように感じます。今回も毛獅子が出ていました。脱毛された舞衣を見慣れた人にとっては異様に感じるかもしれませんが、大陸から伝来した時は毛獅子でした。正倉院にある伎楽の獅子頭にも植毛痕あり(今回見物した松原の獅子は毛獅子ではございませんでした)。
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笛を拝見!六孔で黒の漆塗、細工の美しい飾金具が施された篠笛。これは、当地の屋台に求める美意識と指向性が同じです。5名くらいで吹かれていましたが、時に複数人で吹いていることがわからないくらいに音程と音色が重なっていましたので、同時期に新調されたものかもしれません。

芸態の一部に伊勢大神楽の影響を感じますが、笛の旋律はまったく異なります。

良い笛の音を聞くことができました^_^

充実した祭見聞となりました。




10月14日の午前は弘道館にて講座「心で読み解く京の祭と神賑(かみにぎわい)」!今回は「祭の春夏秋冬」-祈りと鎮魂-。本日も多くの皆さまにお集まりいただくことができましたm(_ _)m

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次回は12/9(日)
「 神楽と神饌」-芸能の役割とカミ様の献立表-

詳細はこちら → http://shinobue.blog.jp/archives/9057882.html

皆さま是非!

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「唐津くんち」の見聞の際にお世話になった吉冨寛さまからお知らせいただきました「唐津くんち」の囃子の奉納です。

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唐津くんちの「笛」は「篠笛」ではなく「明笛(清笛)」。独特の「ビィ-」という振動音が魅力的です。これは、歌口(吹口)と指孔との間にある「響孔」に貼られた「竹紙」(竹の薄皮)が震えることによって生まれる独特の音色。

祭囃子に明笛(清笛)を使うところは意外と多く、最近では、竹紙を貼る技術が伝承されずセロテープを貼って「篠笛的」に用いているところも少なくありません。各地の囃子の旋律には明清楽の残響があるかもしれません。

明清楽は幕末から明治中期まで流行りまくりましたが、日清戦争の勃発にともなって急速に廃れました。耳学問ですが「法会節」や「看看踊」は清楽の「九連環」がルーツだそうです。

11月18日(日)の京都芸術センターでの講座「篠笛を知る」(http://www.kac.or.jp/events/24363/)でも少しご紹介できればと思っております。

とても嬉しいお知らせがございました。僕の6年前のブログの記事を参考に神輿の掛声を「ちょうさ!」にした、とのご報告を頂きました。
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和泉国五社の一・聖(ひじり)神社では九村が輪番制で神輿を舁きます。神賑の地車(だんじり)の篠笛や飾房では、民の謡・岸和田店もお世話になっています。




今年の神輿の当番は「富秋」。神幸祭の日は地車を曳かずに神輿に専念。

最近は、江戸式の「わっしょい」や、地車の掛声である「そーりゃ」「ほいさ」が用いられることが多かったのですが(これは聖神社に限らず大阪南部全域の傾向)、近隣の高石の神輿の掛声について書いたブログを見ていただいて、古式の「ちょうさ(ようさ)」を採用いただいたみたいです。

六年前のブログ記事
→ https://ameblo.jp/taminouta00/entry-11044845155.html

神輿の掛声については、機会があれば直接お話することがあるのですが、実際に反映いただいたのはこれが初めてかもしれません。

① 岸和田祭の起源(〇岸城神社 ✕三の丸稲荷社)
② 地車の起源(〇川御座船 ✕修羅)
③ 上方の神輿の掛声(〇ちょうさ ✕わっしょい)
④ 唄用の篠笛(〇日本十二律 ✕ドレミ)


以上の四項目は僕のライフワークになりつつありますが、このようなご報告をいただけると、長い道中も何とかがんばっていけそうです。

判断は現場ですが、その材料となる情報は、今後も提供し続けていきたいと思いますm(_ _)m

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